30代男性のゆるみきった日々の記録

私が読んだ本の感想、大好きなヤクルトスワローズ、食べたもの、日々起こったことについて、つらつら書いていきたいと思います。

大晦日のしゃぶしゃぶ

昨年は本当にコロナに象徴される一年で、実家にも帰れず、大晦日は妻と二人で過ごした。

 

晦日といえば、毎年、ガキ使の出演者登場シーンと、バスに乗り込み車内で有名俳優がコントを繰り広げるパートまで見る。

 

その後19時28分くらいにチャンネルを変え、19時30分から始まる紅白をオープニングから最後まで、文句言ったり笑ったり泣いたりなんだかんだしながら観るのが恒例だ。

 

一昨日のことを昨年というのは違和感がまだあるが、昨年の大晦日も同じことをした。例年と行為としては同じことを。

 

ただいつもと唯一違ったことは、毎年実家に帰って家族や親類みんなで過ごすのではなく、妻と二人きりで過ごしたことだ。

 

今までであればとにかくすき焼きやら海鮮やらなんやら美味いものを食べ、酔いに酔い、昼寝をし、少し体調の悪いまま起きてまた酒を飲んで大晦日を過ごしていた。

 

昨年、2020年に関しては、陽光がカーテンから漏れでてくるとてもとても気持ちのいい昼前の時間に起き、いつもよりしっかりとした朝ご飯を昼飯の代わりに食べ、夜ご飯の買い出しに行き、年末年始用に売られていた豚のしゃぶしゃぶ肉を買った。

 

2パック1000円で売られていたそのお肉と、楽天で買ったチリ産の冷凍うにと、会社で妻が上司にもらってきたホタテの冷凍貝柱、これらを夕食のメインに据え、夕食の準備を始めた。

 

準備が終わり、紅白を妻と二人で見て、豪華でも質素でもない豚のしゃぶしゃぶをしている時間が、今年はなぜだろう、とてもとてもゆったりとした、贅沢な時間だと思えた。それはなぜだろう。

 

紅白を見ていて、会えない家族や人との距離が開いていく寂しさ、もはやそれを通り越した息苦しさや悲しさを感じたのは紛れもない事実だ。

 

確かに家族に会えないのは寂しい。父や母や妹や祖父母、叔父伯母が一斉に集いわいわいやる年末年始というのも、毎年素晴らしいことだと思う。

 

家族で過ごす以外にも、カウントダウンイベントやライブ、友人との初詣などを恒例としている人たちもいて、きっとなんだか、物足らないくさくさした気持ちでいっぱいなはずだ。

 

ただ、やはり人間は、煌びやかなこと、享楽的なできごとにももちろん楽しさを感じるのだけれど、案外、大切な誰かと平穏な時間を過ごすこと、そんなちっぽけのようでかけがえのない時間に、よほど幸せを感じるのかもしれないと思う。

 

静謐な時間を過ごせる贅沢を感じられた大晦日は、コロナ禍で感じた、数少ない素敵な経験だったかもしれない。